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お寺の冠婚葬祭

 冠婚葬祭(かんこんそうさい)とは、元服・婚礼・葬儀・祖先の祭祀のことで、古来最も重要とされてきた四つの大きな儀式でした。人が生まれてから亡くなり、その後に行われるものまで含めた家族的催し物全般を指す言葉です。
ここではその中でお寺とのかかわりのあることをご紹介するコーナーです。

冠(かん)とは・・・
 成人式を指します。かつては15歳の元服に由来し、冠を戴く(社会的な役職や参政権を得る)の意味を持っていました。今日の日本では選挙権の獲得という意味がありますが、明治時代や大正時代までの封建主義旺盛な時代には長子の元服というと、その家の社会的地位によっては親類縁者から祝いの品がやり取りされたそうです。

婚(こん)とは・・・
 結婚式のことを指します。様々な風習・宗教的理由も含んで儀式内容も多様です。現在では婚姻の誓いをする儀式の部分と、親類縁者を招いた披露宴を含めて、「結婚式」ととらえる傾向にあります。

葬(そう)とは・・
 葬式のことを指します。様々な行事において、地域色や宗教的な要素が薄らいでいる昨今ではありますが、葬式だけは現在でも宗教色が濃く、宗派によって独自の慣習があり重んじられています。

祭(さい)とは・・・
 先祖の霊をまつる事全般を指します。法事やお盆など様々な行事があり、祖先の霊をまつる事に多様な様式化・儀式化がみられます。
これらは祖先の霊をまつる事で人を集め、一族縁者の絆を深めて繁栄を目指すという、広義の祭同様の行事です。お盆などに帰省して祖先の墓参りをすることなど日常の生活に深く浸透しています。


 仏事という言葉を聞くと葬式や法事のことを思い浮かべますが、元々は仏教に関わる行事や、儀礼全般を示すことばで、その中には仏前結婚式、落慶法要といった慶事や、花まつり(仏生会)・縁日といった年中行事、さらには厄除け・商売繁盛などの祈願祈祷もその中に含まれます。
 人々は節目ごとに寺社を訪れ、現世と来世の神仏の加護を祈願し、また一族の成長や無事を確かめ、祝う通過儀礼の意味もありました。
 現代において忘れられてきている礼儀や人との繋がり、癒しと救い。仏事には多様な意味が込められています。

卍(まんじ)
道路地図などで寺院をあらわすマーク。もともとはヴィシュヌ神の胸の旋毛(せんもう)で、仏教では仏の胸などに描かれ、吉祥万徳のシンボルでもある。

お寺での結婚式

あまり知られてい仏前結婚式。
仏前結婚の意義は、「二人の結婚は生まれる以前から因縁づけられていた」という主旨で行われます。
 具体的な式順は宗派によって多少の違いがありますが、仏教の教えに則って、お寺の本堂や自宅の仏壇の前で司婚者(住職)が式を執り行い、参列者一同が仏と自分たちの先祖に感謝をささげ、誓いを立てるというものです。本尊に 結婚を報告し、住職から終生仏教徒として守るべき事柄について諭しを受け、記念の念珠を拝受、互いに敬愛を誓いあう誓紙に署名した後、三三九度の杯を交わすのが大筋の流れです。

仏前結婚式の式次第

*仏前結婚式の式次第は、宗派に よって、形式にも多少の違いがあります。

・参列者の入場・着席
・新郎新婦の入場
・司婚者の入場
・司婚者の敬白文朗読
・新郎新婦に念珠授与
・司婚者、司婚の辞朗読
・誓詞朗読
・新郎新婦の焼香
・誓盃(神式でいう三三九度の盃)
・司婚者の祝詞
・司婚者の退場
・新郎新婦・参列者の退場

 
結婚祝い 目的 表書き例 水引 のし お返し
結婚祝い 御結婚祝い ・ 御結婚御祝 ・ 寿御結婚 紅白・金銀・結び切り 「引き出物として」
仲人へのお礼 御礼 紅白・金銀・結び切り なし
式当日の心づけ 寿 ・ 御祝儀 紅白・結び切り なし
結婚式の引き出物 寿 紅白・結び切り なし



お役立ち着物の種類結婚式用の着物の紹介
振 袖 未婚者の第一礼装です。大振袖・中振袖・小振袖があるが、一般的には中振袖が流通しています。大振袖は花嫁用。結婚式への参列や成人式、卒業式等。
 
黒留袖 既婚者の第一礼装です。全休が黒色で据に模様がある物。比翼仕立て(衿など二重仕立て)。紋は五つ紋。結婚式の参列やあらたまった儀式等。慶事用。
色留袖 既婚者、未婚者問わず着られる第一礼装です。紋は五つ紋が正式です。三つ紋や一つ紋といった略式にすると略礼装となり、訪問着感覚で広範囲に着ることが出来ます。結婚式への参列や儀式の参列等。
訪問着 既婚者の第一礼装に次ぐ着物です。最近は未婚者も着ることが多いようです。紋は三つ紋もしくは一つ紋。入学式、卒業式、パーティー、お茶会、年中行事等。用途の広い着物。
付下げ 訪問着に準ずるものです。最近は柄が訪問着とほとんど同じで区別がつきにくいようです。訪問着ほどあらたまることのない席や、観劇、デート等。
色無地 未婚・既婚を問わない括(くくり)のない無地の着物です。生地自体のエンボスの模様や色、紋の数などで場面を選ばず活用できる便利な着物です。一つ紋で準礼装に、三つ紋以上なら絞のない訪問着よりも格上になり、また地味な色なら黒帯を合わせれば略式喪服にもなります。合わせる帯の種類によっても用途が変えられる着物。
小 紋 小さな柄が着物全体に染め上げられ繰り返し模様がついている着物です。括行によってはひとつづきに見えるような物は付け下げ小紋と言って、帯などの組み合わせによっては略礼装として使えることもあります。気軽に街着(まちぎ)として幅広く着られる、身近なオシャレ着物、普段着。
長 着 男性の着物の形です。男性の着物には女性の着物と違い、種類がありません。





仏教の葬儀
葬儀の様式にはそれを行う人たちの死生観、宗教観が深く関っています。一般的に葬儀は故人のためだけでなく、残されたもののために行われるという意味合いも強くあり、残された人々が人の死をいかに心の中で受け止め、位置付け、そして処理するか、これを行うための援助となる儀式が葬儀です。
(宗派によって異なります)
肉親が亡くなったら 亡くなった直後の連絡は、親族、友人・知人、勤務先、学校関係、近隣の方々などにします。特に肉親や親しい友人などにはすぐに伝えます。
それ以外の方々への連絡は、通夜や火葬、葬儀の日程が決まってからでも構いません。
また、
地域によっては隣近所の人が手伝ってくれる習慣が残っていますので、正式な使者をたてる場合や、世話人にお願いすることも多いようです。新聞での死亡広告も、一般の方へのお知らせとして有効な方法です。
肉親が亡くなったら、お寺さんに連絡します。宗派によって異なりますが、枕経のほか、戒名、法名、法号などのお願い、通夜・火葬・葬儀や法要の段取りなどを打ち合わせます。この依頼は、親族の代表か喪家の事情を良く知っている方が伺って行なうとよいでしょう。
菩提寺が遠方の場合は、同じ宗派のお寺を紹介してもらうこともあります。
故人の宗派 基本的には、故人が生前信仰していた宗教によって決めますが、無信仰だったり、信仰していた宗教が分からない場合があります。
そんな時は、故人の生家の宗教によること、既婚女性なら夫の生家の宗教によることが一般的です。
ご遺体の安置 ご遺体を寝かせる部屋は仏間か座敷です。神棚がある場合は扉を閉めて白紙で封じます。
ご遺体は北枕としますが、都合により極楽浄土があるという西向き、または仏壇に頭を向け寝かせます。顔には白いさらしを掛け、胸の上で手を組ませて数珠をかけます。また、守り刀としての短刀を胸元か枕元に置く場合もあります。
枕飾りと枕経 ご遺体の枕元に白い布をかけた小さな台を置き、その上に三具足といわれる花立て、ローソク立て、線香立てを飾ります。
花は槐(きしみ)か、季節の花や菊でも構いませんので一輪を、口ーソク・線香は一本ずつ立てます。ほかに鈴、水、枕だんご、一膳飯(浄土真宗では、枕だんごや一膳飯は飾りません)を供えます。
全部揃える必要はありませんが、ローソクと線香の灯だけは絶やさないようにしましょう。
枕元のお飾りが揃った後、ご住職をお迎えして最初のお経をあげていただきます。これ枕経といい、家族や近親者でつとめます。
世話人をお願いする 最近では、葬儀社に臨終後から法要までの一切をお願いすることが多いのですが、それでも、喪家の事情をよく知る人、経験豊かな人、地域の慣習に詳しい人、勤務先の上司などに手伝って頂くと心強いです。
多忙な喪主に代わって受付、会場、接待、送迎、台所、葬儀社・役所・お寺さんとの連絡など、重要かつこまごまとしたものを引き受け、手助けしてくれます。
会計だけは、香奠や費用の管理をしますので近親者にお願いしたほうがよいでしょう。


納豆(なっとう)
中国では古くから蒸した大豆を茅(ちがや)でおおいカビをはやして塩豉(えんし)を作っていたが、7世紀に留学僧によって日本にもたらされ、寺院食などになった。
仏教以外の葬儀①
神道の葬儀(玉串拝礼の流れ)

【右回り・二礼・二拍手(忍び手)・一礼】


・自分の前に玉串(神前に捧げる、紙垂(しで)や木綿(ゆう)をつけた榊の枝)神職が来たら、軽く会釈します。

・神職から玉串を受け取ります。
 (受け取り方)葉の表面を上にして、右手で枝の根の方を上から5本の指でつまむようにして、左手で枝の中ほどをを下から支え、枝先が少し高くな るようにして、二の腕の高さで受け取ります。

・その持ち方を維持しながら、神前の三歩前まで進み出て、会釈をし、左、右、左と三歩進みます。

・神前の前までに来たらやや深い会釈をします。

・手に持った玉串を右回り(時計回り)に回し、枝の根本を神前に向けて献台に捧げます。

・神前に向いたまま後ろに下がり二礼します。

音を出さずに二回拍手をし、一礼します。

・席へ戻ります。
仏教の法事(法要)
法事とは法要ともいい、亡くなられた方の冥福を祈り、その霊を慰めるために命日に行う行事です。現在では故人やご先祖に対して行う追善供養の法要のことを法事としています。故人が成仏(成仏)できるように力を貸してあげることが追善供養、すなわち法事の目的です。
 
追悼法要 呼称 法要の内容
亡くなった日    命日
初七日(しょなのか)   7日目 還骨勤行後、近親者・知人を招いて、法要後、会食を行う
二七日(ふたなのか)  14日目 遺族・近親者だけで行うことが多い
三七日(みなのか)  21日目
四七日(よなのか)  28日目
五七日(いつなのか)  35日目 遺族・近親者だけで行うことが多い
宗派によっては忌明けの供養を行う
六七日(むなのか)  42日目 遺族・近親者だけで簡単に行うことが多い
七七日(ななのか)  49日目 近親者・知人を招き忌明けの法要を行い、会食を行う
百か日(ひゃっかにち) 100日目 近親者・知人を招き、供養する。
年忌法要 一周忌   1年目 親者・知人を招き、供養する
三回忌   2年目
七回忌   6年目
十三回忌  12年目
十七回忌  16年目
二十三回忌  22年目
二十七回忌  26年目
三十三回忌 32年目 宗派によって異なりますが17回忌から五十回忌の間で法要を終え、
永代供養をすることがあります

宗派と本尊
お寺でも家庭の仏壇でも宗派により本尊は異なります。天台宗では阿弥陀如来や伝教大師、真言宗では大日如来や不動明王、弘法大師。浄土宗や浄土真宗は阿弥陀如来、名号など。臨済宗や曹洞宗は釈迦牟尼佛。日蓮宗や日蓮正宗は三宝尊、大曼荼羅などを主とします。
初七日の法要
 この日に故人が三途(さんず)の川の畔(ほとり)に到着するといわれます。忌日の中でも、特に重要な日とされています。
 初七日は実際の骨上げから二、三日後ということになるので、遠方の方に何度も来ていただくのは大変なため、最近では葬儀の日に遺骨迎えの法要とあわせて行うことがあります。


四十九日の法要
 故人が亡くなった日から数えて四十九日の間を中陰(ちゅういん)といいます。これは現世と来世の中間という意味で、死から新しい生へと生まれ変わるのに必要な期間で、四十九日目を満中陰といいます。
 仏教では死者が冥土に行くと、七日目ごとに閻魔(えんま)大王を筆頭にした十王によって、生前の善行悪行を問われる審判が行われると考えられています。
 この審判の日に遺族が供養することにより、そこで積まれた善業が故人にも及ぶと教えています。
 この四十九日の間が忌中で、閻魔大王の裁きを受けるという三十五日と、次に生まれ変わる世界が決定するという四十九日には、いつも以上に心をこめて冥福を祈ります。
 一般には、この日をもって忌明けとし、あいさつやお礼、香典返しなどをします。
 またこの日に納骨をし、盛大な法要をします。


百か日の法要
 百か日は本来大切な法要で、近親者や友人、ご住職を招いて行うものですが、最近は内輪で済ませることが多いようです。
 また「卒哭忌(そっこくき)」ともいわれ、故人への悲しみのために泣き暮らしていたのを泣きやむ日を意味するものです。


年忌法要
 亡くなった翌年の祥月命日を一周忌といい法要を営みます。
 一周忌のあとは、満二年目の三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌に法要を営みます。
 年忌法要は、命日に行うものですが、最近は土・日曜日に行うことが多いようです。その場合は、必ず命日より前にするのが習わしです。
 また同じ年に重なる年忌法要を、一度にまとめて行うこともあります。


お役立ち法要あれこれ
法要の準備  四十九日、一周忌、三回忌までは、比較的大規模な法要を営みます。それ以降は簡略化して、近親者だけで供養することもあります。法要を盛大に営む場合は、次のような準備が必要になります。
①施主を決める
   ↓
②日時を決める
   ↓
③会場を決める
   ↓
①案内状を発送する
   ↓
⑤卒塔婆(そとうば)供養の準備をする
   ↓
⑥引出物を選ぶ
   ↓
⑦会食の用意をする
 招待する人 一周忌後の法要では徐々に人数を減らし、故人と親しかった友人などだけで行うようにしていきましょう。
また、遠方にお住まいの方やあまりお付き合いのない方はなるべく控えたほうが良いといわれております。
但し、本人から出席したいと申し出があった場合には、喜んで出席して頂くとよいでししょう。
 塔婆供養とは 故人の冥福を祈る意味で立てるもので、これを立てることは「最も故人の供養になること」とされています。
施主は前もって、塔婆供養する人の人数をまとめ、その人たちの姓名をお寺に連絡しておきます。遅くとも法要の4、5日前までに連絡しましょう。
塔婆料は、お寺によって決まっておりますので、事前に金額を確認し、お布施とは別にご住職に渡します。
塔婆の包む表書きは「卒塔婆料」となります。
また、施主以外の人が塔婆供養をする場合は前もって施主に伝え、塔婆料を包んで施主に渡します。施主は集めた塔婆料を自分の包みに添えてご住職に渡します。
 法要の案内状が届いたら 案内状が届いたら、病気などやむ得ない場合をのぞいて、できる限り出席するのがマナーです。
施主側には準備の都合があるので、案内状が届いたらすぐに出欠の返事を出すとよいでしょう。

欠席する時 どうしても出席出来ない場合も早めに返事を出します。その場合、電話をするか、返信用のハガキにお詫びの言葉を添えるのがマナーです。
また、三回忌までの法事なら「御仏前」と表書きした供物料を現金書留で送ったり、香や供花を贈るのが一般的です。
供花は三回忌までは白い花を中心にすること。別の日にあらためて、お参りするのもよいでしょう。
法事に持参するもの 本来、線香、ろうそく、菓子などの供物や供花を持参するものでしたが、最近は供物料を包むのが一般的のようです。
供物料の金額は、「お斎代」十「引き物代」で一万円くらいなので、それを見込んで一万円から二万円程度を包むのが一般的です。
※供物や供物料は、いきなり仏壇や祭壇にお供えしないで、必ず施主に「御仏前にお供えください」と直接差し出すことが、正式なマナーです。
出席時の服装 一般的には一周忌の法事までは、喪服を着ますが、グレーや濃紺など地味なワンピース、スーツでもかまいません。
法事は回を追うごとに略式に持っていき、服装の色も薄れていくといわれます。服装に迷うなら同席する親戚や年配の方に尋ねるのもいいでしょう。

友引と仏滅
葬式などの日取りに忌み嫌う日。中国の「小六壬」から変化した六曜日の中の凶日とする日。ただし、根拠のない妄説として、重大視されないこともある。

盂蘭盆会(うらぼんえ)(お盆)
 盂蘭盆とは正式には盂蘭盆会といい、一般的にお盆といわれている時期がそれで、父母や祖霊を供養し、非常な苦しみから救うという行事です。
仏教行事の中でも七月または八月に行われ、彼岸会(ひがんえ)と並んで特に盛んに行われています。
 盆供養の仕方は地方により多少異なりますが、盆棚、精霊棚をつくり、そこに祖先の霊を招いて住職に棚経をあげてもらい、墓参り、寺参りをし、迎え火・送り火を焚き、あるいは盆踊りをするという行事が広く行われています。

お盆とは
 お盆は私たち日本人にとって、最も親しみやすい仏教行事の一つです。
 ご先祖様の霊を迎え、ご供養し、そのご冥福を祈る行事で「魂祭(たままつり)」「精霊祭(しょうりょうさい)」などと呼ばれています。
 お盆は、もともとインドのサンスクリット語の「ウランバーナ(逆さ吊り)」という言葉が「盂蘭盆(ウラボン)」となり、ただ「盆(ボン)」となり、これに「お」をつけて「お盆」と呼ぶようになりました。
 「ウランバーナ」とは、「さかさに吊るされたような苦しみ(倒懸:とうけん)」という意味で、これを取り除くのが「お盆」ということになります。


お盆を迎えるにあたり(地方や仏教の宗派により行事の形態は異なります)
 お盆は7月13日から16日までの4日間、ご先祖様の霊を迎え、ご冥福を祈る行事です。新暦が採用されてからは1ヵ月遅れの8月に行うところが全国的には多いようです。
 お盆には精霊(しょうりょう)となったご先祖様を家にお迎えし、おもてなしをします。地方によって、お盆の期間中には故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれるキュウリやナスで作る動物を用意することがあります。キュウリは足の速い馬に見立てられ、あの世から早く家に戻ってくるように、またナスは歩みの遅い牛に見立てられ、この世からあの世に帰るのが少しでも遅くなるように、また、供え物を牛に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうとの願いがそれぞれ込められています。
 お墓の掃除も早めに行いお参りの準備をしましょう。
 13日夜、ご先祖様の霊をお迎えするため玄関前で「迎え火」を、16日には「送り火」を焚きます。
 この期間、家族・親戚の方たちと一緒にお墓参りもいたします。
 ここで紹介したものは、ごく一般的な行事になります。それぞれの地方・宗派によって独特の習慣がありますので、その習慣に従って供養いたしましょう。

彼岸会(ひがんえ)
 彼岸会とは、煩悩を脱した悟りの境地のことで、煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸「此岸」(しがん)と言うのに対して、向う側の岸「彼岸」といいます。
 彼岸会は春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた7日間のことをさし、この期間に行われる仏事のことです。
 暦の上では最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸明け」といいます。また、春分の日、秋分の日を「お中日」といいます。
一般的に、中日に先祖に感謝し、残る6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目、六波羅蜜を1日に1つずつ修めるためとされています。
 古来の民俗信仰とも深く結びついた「盂蘭盆会」や「施餓鬼会」と共に仏教の年中行事として盛んに行われています。
彼岸会の時には在家では仏壇を丁寧に掃除し、また墓参りするのが習慣でありは日本中広く行われています。
 春と秋の彼岸の一週間に仏事を行うと、仏の功徳があるといわれています。

春彼岸
毎年3月の春分の日をはさんで前後3日の合わせた7日間


秋彼岸
毎年9月の秋分の日をはさんで前後3日の合わせた7日間


お彼岸の準備
お仏壇、仏具の掃除
お墓の掃除
供花やお供え 果物・菓子などの他、精進料理をお供えする
宗派によっては異なりますが、お墓参りするときは事前にお寺に卒塔婆をお願いしておきます。

お墓参り
お墓参りは、ご家族みんなで出かけましょう。お墓は家族全員でお守りしていくべきものです。両親がご先祖様を祀る姿は後の世代に受け継がれてゆくでしょう。
〔持ち物〕
予め用意しておきましょう。
・お線香  ・ろうそく  ・マッチ(ライター)
・お花(昔は「しきみ」が主に使用されていましたが、最近では四季折々のお花をお供えする方が多いようです)
・お供え物(お菓子や果物、故人の好きだた物など)
〔お掃除〕
お墓参りに行ったらまず、お墓のお掃除をしましょう。雑草が生えていたり、ゴミが散らばっていたりしていては仏様に申し訳がありません。
・墓石は水をかけて洗い流します。
・水鉢や花立、香立はゴミが詰まりやすいので丁寧に洗います。
・墓石の彫刻部分は歯ブラシなどで細かい汚れを落とします。
・洗い流したら、タオルなどで水気を拭き取ります。
〔お供え〕
・お菓子や果物は直接置かず、二つ折りした半紙の上に置きます。
・水鉢にきれいな水を入れます。
・花立に供花の長さを整え、お供えします。
「ぼたもち」「おはぎ」は、お彼岸のお供えにはかかせないものです。
春は牡丹の花にちなんで
牡丹餅と言います。
秋は萩の花にちなんで
おはぎと言います。
さらに花のイメージとして、ぼた餅はこしあんで、おはぎは粒あんで作ります。
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